薬物療法について

drug therapy

薬物療法を安全に行うために

薬物療法を安全に行うために

関節リウマチ(以下、リウマチ)の薬物療法は、「抗リウマチ薬」を主体に行います。「抗リウマチ薬」は、リウマチの関節炎を改善させて関節の痛みと腫れを消失させ、リウマチによる関節破壊の進行を阻止するお薬です。「抗リウマチ薬」の中心は、1999年に本邦でもリウマチの治療に認可されましたメトトレキサート(MTX:リウマトレックス®、メトトレキサート®、メトレート®)です。現在、MTXはリウマチ治療において、第一選択薬として多くのリウマチ患者さんに使用され、リウマチの改善に貢献しております。一方で、MTXには、若干の免疫抑制作用があり、その副作用にも十分に注意しながら治療を進めることが大切です。定期的な血液検査を行って、副作用の早期の検出に努めます。MTXの副作用としては、口内炎、胃部不快感、血球減少、肝障害、などがあります。極めて稀な副作用として、肺障害があります。ですので、あらかじめに血液検査、胸部レントゲン検査などで、貧血の有無、肝機能・腎機能、肝炎ウィルス感染の有無や肺疾患の有無などを調べてから、MTXを開始します。

更に、MTXを開始する患者さんには、以下のご説明を行い、安全で有効な治療を進めます。

メトトレキサート(MTX)内服中の3つの注意点

1
38℃以上の高熱を来したら、MTXを中止して早めに受診ください。
2
著しい息切れ・全身倦怠感を来したら、MTXを中止して早めに受診ください。
3
青汁は、葉酸を大量に含んでいるためMTXの効き目を中和してリウマチを悪化させます。MTX使用中は、青汁は回避ください。

その他、著しい咳や痰(気管支炎症状)が出る場合、下痢・腹痛で食事が取れない場合、熱中症などで脱水症状が著しい場合にも、MTXを中止して早めに受診することをお勧めします。1週間、MTXを休薬してもリウマチが顕著の悪化することはありませんので、上記の安全対策を優先して、MTXを休薬ください。
MTXには、注意すべき副作用がございますが、MTX、及び、その後に登場した生物学的製剤・JAK阻害薬によって、リウマチの薬物療法が格段に進歩し、リウマチが発症する前の生活に戻れるかもしれない時代となりました。MTXが普及する以前と比べれば、隔世の感を禁じえません。MTXは増量するほどに治療効果が増しますので、各々の患者さんの重症度に応じて、安全性を考量しながら、MTXを十分量まで増やすことが大切となります。

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